- 561 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:25 ID:ObQykBmx
- 1/21
砂浜を、一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていた。
後輪両脇と上に、旅荷物を満載したモトラドだった。波打ち際に近い、比較的締まった砂の上を、
深い轍を残しながら北へと向かう。
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- 562 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:26 ID:ObQykBmx
- 2/21
左側には、蒼く澄んだ凪の海が、どこまでも広がっていた。右には、幾千万の砂丘がうねる。
広大な砂漠だった。そこは、水と砂の世界だった。
モトラドの運転手は黒いジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。
右の腿に、ハンド・パースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)のホルスターを下げている。
中には大口径のリヴォルバーが収まっていた。
ふいに、運転手がモトラドのタンクを叩いて、進む先を指差した。
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- 563 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:28 ID:ObQykBmx
- 3/21
だいぶ遠く、蒼い海面上に、白い線が陽炎のように浮いているのが見えた。近づくにつれ、
線には足があることが分かる。
それは橋だった。
幾本もの橋脚が、海の中から規則的に立ち並び、アーチ状に(・∀・)イイ!の塊が組み上げられている。
幅は大きな車が余裕ですれ違えるほど。水面からの高さは、人がどうにか飛び込めるくらい。
橋は捌くから突然生まれ、真っ直ぐ西へただひたすら向かって、水平線と共に消えていた。
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- 564 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:29 ID:ObQykBmx
- 4/21
モトラドは、橋のたもとに到着した。運転手が降りて、見上げる。
運転手はモトラドと、その場で少し会話をする。
まさにこれが、探していた橋だった。これを渡れば、隣の板へと渡し賃を払わずに行ける。
運転手は嬉しそうに言った。
一方モトラドは、それなりに不思議がった。なぜ、何もなく誰も住人がいないところに、
こんな立派な橋があるのか。そして建材となった大量の(・∀・)イイ!は、一体どこから運ばれてきたのか。
運転手は、橋のことを教えてくれた旅人の、誰一人としてその答えを知らなかったことを告げる。
それでも構わない、重要なのは橋があることだと付け加え、モトラドはそれに同意した。
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- 565 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:30 ID:ObQykBmx
- 5/21
運転手はモトラドを発進させて、橋を渡り始めた。
走り出してすぐに、周りにはもう海しか見えなくなった。青く輝く水面を、白い橋がすっぱりと切り分けていく。
やがて、静かに日が暮れていった。傾いた太陽が橋と水面を黄金色に照らす頃、運転手はモトラドを止めた。
夜が来て、海は黒く静かだった。地にあるもの全てを押しつぶすかのように、空に星が輝く。
運転手は、眩しすぎると文句を言った。
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- 566 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:31 ID:ObQykBmx
- 6/21
次の日。
運転手は夜明けと共に起きた。薄い紫色の空だった。
軽く運動をして、右腿に吊っているパースエイダーの整備と訓練をした。携帯食料の朝食を取った。
鞄の上に縛り付けた缶から、自分へは水を、モトラドへは燃料を補給した。
太陽が昇り、雲のない空と、波のない海が蒼く染まる。
運転手はモトラドを叩き起こし、西へ向けて再び走り出した。
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- 567 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:32 ID:ObQykBmx
- 7/21
昼過ぎだった。
止まって、とモトラドが突然大声で言った。
運転手は急ブレーキをかけた。海の真ん中で停止する。
何かを見つけたとモトラドが言った。運転手はモトラドをターンさせて、来た橋を少し戻った。
モトラドは運転手に、今目の前にある欄干を見るように言った。それは他の欄干と同じ形状をしていた。
運転手は訝って、これがどうしたのかと訊ねる。モトラドは、そこには何か文字レスが残っていると言った。
調べると、字は確認できたが、風化があちこちにあって、文として読むことはできないと運転手が言う。
モトラドが代わりに読むことを提案した。ここから先の欄干に、延々とレスが刻んであることも伝える。
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ゝ_ノ ̄┴ ∪∪::ノ
運転手は、時間をあまり浪費できないから、レスの内容によると伝えた。荒らしのレスなら、すぐに出発すると。
モトラドは了解して、最初の欄干にあるレスを読んだ。
1 名*: ( ´∀ ・∀_,,_Д)さ|* 投稿E : 0*;/=|*05 05;+:* |;D:?_
私達は、私達の義務を為し遂げなくてはならない。私達はここに橋を架ける。私達がなぜ何をしたのかを
こうして欄干に残す。いつかこの橋を渡る、誰かのために―――――
- 568 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:33 ID:ObQykBmx
- 8/21
運転手は即座にモトラドのエンジンを切った。一瞬で、辺りには音が無くなる。
運転手はモトラドを押して、次の欄干の前に行った。そうやって、全てのレスを立て続けに読んでいくことを、
モトラドに告げた。
モトラドは了解して、消えかけたレスを読んでいく――――
- 569 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:34 ID:ObQykBmx
- 9/21
{9 *_前: ( ;::∀'・ /),,'*)+ん キ 稿臼: C*/*-/U~ 0*:0;:; I;:;:?*_
私達は、橋の東側の海岸に住んでいた。板があり、スレがあった。なぜ私達が、砂しかない不毛の板に
住み始めたのか、長い間知らなかった。それも気にせず、私達は魚を食べ、歌い、踊り、マターリと生きてきた。
国の近くには、私達がピラミッドと呼ぶ、巨大な過去ログがいくつもあった。(・∀・)イイ!を綺麗に積み重ねて造られたそれは、
誰がいつどんな目的で建てたのかも知らなかった。しかし、これ以上便利なものはなかった。
私達は過去ログから(・∀・)イイ!を引き出し、家を造り、道を造り、城壁を補修した。
ある日のことだ。我々の仲間が、海の底から何かを発見して、全員で引き上げてみた。
それはhtml化すらされることがなかった、とても古いdatのようなものだった。私達が苦労して開けると、中には
たくさんのテキストが入っていた。何か価値のある物でもと思っていた私達は、ひどく落胆した。
ナンダヨ ツマンネーナ タダノ ゴミジャネーカ
∧ ∧ /ヽ ∧ ∧
(,,-Д-).__/ / (゚Д゚ )
(⊃ ⊃│ ├┘ u u ヽノ
と_)_).└─┘ (_(____つ
- 570 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:36 ID:ObQykBmx
- 10/21
2= 名*\: ' ´ ・_ ),,゚Д)*+/ __*/E : 0&/*~/[ 0/*08 ID:?. *
しかしそのdatによって、私達は答えを知ることになる。
なぜ私達がここにいるのか? 何をすべきであったのか? 今まで何をしていたのか? これから何をすべきなのか?
テキストの一つは橋の計画書だった。目の前の海峡に、幾多のテンプレを立て、(・∀・)イイ!を組み、美しいアーチ橋を
水平線の向こうへ、隣の板へと渡す。それは壮大な計画だった。そのために必要な、膨大な量の設計図もあった。
テキストのもう一つには、二つの事実が明記されていた。一つは、架橋材料の(・∀・)イイ!を必要十分量、予定地海岸に積み上げておくこと。
もう一つは、隔離板に収監されている厨房を大量に近くに住まわせ、建設作業要員として働かせること。
橋完成の際には、全員の刑期を抹消し、元の板へ戻す旨も記載されていた。
――私達のすべきことはただ一つ。”計画書どおりに橋を架ける”。住人全員の意見は一致した。
詳細な設計図はある。昔より多くの住人もいる。クレ厨・教えて厨も多いが。やらない理由も、やれない理由もなかった。
オマエラ ヤルシカネーゾ
∧_∧
( ・∀・)∩
⊂ ノ
) _ ( マジカヨ Uzeeee! カッテニヤレヨ
アフォガ... ネタデスカ? (_) (_)∧_∧ ∧_∧ ∩_∩
∧_∧ ∧_∧ ∩_∩ (∀` ) ( ) ( )
( )( ) ( ) ( ∧_∧( ) ∧_∧
( ∧_∧( ) ∧_∧ ( )∩_∩ ( )
( )∩_∩ ( ) ( )( )( )
- 571 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:37 ID:ObQykBmx
- 11/21
モトラドがそこまで読み上げて、運転手は感心したようすで、なるほどと言った。足元を見て、手前の欄干を叩き、
近い橋脚を見下ろした。
この先を続けて読むか、それとも謎は解けたからもう出発するか、モトラドが尋ねた。
運転手は、なぜ国がなくなってしまったのか。そして、橋を造った人達がどこにもいないのはなぜか。
ひょっとしたら元の国に全員が引き上げることができたのか。そのことは知りたいと言った。
モトラドは了解して、次を読み進む――
o、_,o _____
⊆o○o⊇ _iロ=ミミi
( ゚∀゚) (⌒(_゜* リ コo
/,-/::| |.,と U|||┐
|: |(),|_| |/゙.| |-┘
ゝ_ノ ̄┴ ∪∪::ノ
- 573 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:47 ID:S3tAyWVY
- 12/21
6@1 名*: ( ´∀ ・∀_,,_Д)さ|* 投稿E : 0*;/=|*05 05;+:* |;D:?_
橋と共に生まれた子供が、作業でその力を振るい始める頃、私達はそれに気がついた。計画書どおりに造っていたはずが、
板への負荷が高い。そしてやがて重くなる。理由はすぐに分かった。かつて大量の一行レスや荒らしコピペが横行したからだ。
私達は己の愚かさを再び強く恥じ、橋を完成させる前に圧縮やスレごとあぼーんがあるのではと恐怖した。
解決方法は、一つだけあった。私達は余分なレスをあぼーんして、開いた容量を使えるところに(・∀・)イイ!を使い始めた。
削除依頼に多くの時間を費やし、作業効率は落ちた。元スレを失った人は、別の誰かと避難スレ生活を余儀なくされた。
しかし、橋を完成させるためには惜しむべきものなどあろうか。
これ以上はスレを削除できなくなると、私達はガイドラインも外し始めた。無駄が出ないように、慎重に容量を計算した。
もともと隔離板だから、荒らしが増えることなどなかったが、板は閑散としていった。我々は手に入れた容量をまずスレにして、
橋の上に建てた。そしてそこに住みながら、橋を伸ばして行った。
OK。板の負荷軽減。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 流石だよな俺ら。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
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__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
- 574 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:48 ID:S3tAyWVY
- 13/21
72= 名*\: ' ´ ・_ ),,゚Д)*+/ __*/E : 0&/*~/[ 0/*08 ID:?. *
そして遂に、私達は進む先に水平線以外のものを見た。遂に視界に入ったのは、海峡対岸の板だった。
その時の私達の喜びを、ここに書き残すことは到底不可能だ。
橋脚用のテンプレを使い果たし、最後の橋脚が完成した。もはや私達は、計画の達成を疑っていなかった。
(・∀・)イイ!はぎりぎりで足りるだろう。私達は避難スレを逐次あぼーんし、その容量を使った。
私達は橋の上で眠った。体をこわす者が増えたが、気にとめることではなかった。
――全ての容量を使い切った時、私達は橋の完成と未完成を知った。
アリエネェ... シカシ、ジジツダ!!
ウソダ... ∧ ∧ ∧∧
∧∧ (;゚Д゚) (゚Д゚;)
(;゚Д゚) / ⊃⊃ ⊂ ⊃
/ | 〜( ( 〜| |
〜OUUつ U~U し`J
- 575 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:49 ID:S3tAyWVY
- 14/21
|{ 9 *_前: ( ;::∀'・ /),,'*)+ん キ 稿臼: C*/*-/U~ 0*:0;:; I;:;:?*_
橋は完成した。たった一部分を除いて。それは橋のほぼ中央、最後の家があった場所だった。
そこから橋を組み上げるための(・∀・)イイ!を取り出して、初めて気がついたのだ。そこだけに(・∀・)イイ!畳がなく、
荒々しくあぼーんされたレスが露出する長い窪みとなっていたことに。愚かな手違いだった。
とても橋としては使えない、長く大きな窪みだった。この窪みを埋めて、計画通りに橋を完成させるには、
もっと(・∀・)イイ!が必要だった。砂漠の中に、あるはずもなかった。橋の他の部分で、(・∀・)イイ!を取り外せるところなど
絶対になかった。
あと少しだった。この窪みさえ埋めることができればいいのだ。そうすれば橋は完成するのだ。何か硬い、(・∀・)イイ!畳の
かわりになるような材料が欲しかった。
私達は悩み、考え、やがて素晴らしい解決方法を見つけた。思えば簡単なことだった。私達には、窪みを埋める材料が
初めから備わっていたのだから。
/ \
| ア...アヒャ! アヒャヒャ!! アーッヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! アヒャーリ!! アヒャ!!! |
\ /
 ̄V ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄V ̄ ̄
∧ ∧ ∧_∧ ∧,,∧
(,,゚∀゚) '' ̄ヽ ( ゚∀゚ ) ミ゚∀゚ ミ
./ | ( ゚∀゚ ) .| ゚∀゚ .| /つ⌒l'~O ミ ミ
(___ノ (∩ ∩) └ ー ┘ (l、__(_)___)( ゚∀゚ ) ミ,,,,,,,,,ミ
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- 576 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:50 ID:S3tAyWVY
- 15/21
9^2 名*: ( ´∀ ・∀_,,_Д)さ|* 投稿E : 0*;/=|*05 05;+:* |;D:?_
私達は私達の中から、まず力の弱い老人や女性を選び、頃した。死体から肉を削ぎ落とした。
白くて硬い骨が、大量に手に入った。これこそが、窪みを埋める最後の材料だ。大きさを揃えて、隙間ができないように
並べていった。
窪みはゆっくりと埋まっていった。私達は次に子供を全員頃し、その骨を手に入れた。子供の骨は小さく弱く、踏み固めると
時に割れるため、あまりはかどらなかった。
私達は最後に、順番を決めて男を頃し始めた。男の骨は大きく硬い。窪みが小さくなるたびに、私達は心から喜んだ。
手足の骨や肋骨を組み合わせて並べ、隙間に砕いた頭蓋骨などを埋め込んだ。全ては順調に進んだ。
エ...エヘヘ...ホ、ホネ...ホネ...
イヒヒヒヒヘヒヒハヒヒハヘヒヒ...
∧_∧
( ・∀・)
( つつ
) ) )
(__)__)
ε.゚'ヽ
.( ゚丿 ε===3
- 577 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:51 ID:S3tAyWVY
- 16/21
そして窪みは全て埋まった。
もう私以外誰もいないが、問題はない。後は一人でもできる。
背骨を並べて、(・∀・)イイ!畳と同じように表面を加工するだけだ。
……ところで、私達――いや、私のこの言葉を最後まで読んだ
私の知らない誰かに、告げたいことがある。
せっかく、こうして引っかかってくれたことだから。
途中まで読んでいて、これが真実だと思ったかい?
すなわち――
- 578 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:51 ID:S3tAyWVY
- 17/21
運転手が、”すなわち”の続きはと聞いた。モトラドが、ここで文が終わっていると告げる。そして感心したようすで、
最後の一人の行方は知らないけど、見事だったねと言った。
運転手が何のことか聞いて、モトラドは運転手に、足下を見るように促した。少し先から、(・∀・)イイ!畳の造りが微妙に異なっていた。
運転手がしゃがんで、よく調べ見て、驚きと呆れ返った声を上げた。
そこに組まれているのは、僅かに色が違う(・∀・)イイ!だった。形を整えられた(・∀・)イイ!が、模様を描くように並べられている。
少しだけ色が違う部分には、細かい(・∀・)イイ!が隙間なくはめこまれ、さらに表面がなめらかに加工されていた。
運転手が顔を上げた。色違いの(・∀・)イイ!の部分はしばらく続き、そしてその先はそれまでと同じ(・∀・)イイ!に戻る。
蒼い世界の白い線の上で、運転手はしばらく考えていた。
(:::::::::::: ヽ
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ノ }
- 579 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:52 ID:S3tAyWVY
- 18/21
そして、モトラドに振り向いた。今日はここで泊まると言った。
モトラドが驚いて訳を尋ねる。運転手は、いつものルールさ、と短く返した。
不思議がるモトラドを、運転手はセンタースタンドでしっかり立たせた。後輪上のキャリアから、荷物をおろした。
そうだ今日はのんびりと釣りをしよう。たまには魚を食べよう。そう言って運転手は、後輪脇の箱をひっかき回した。糸や針を取り出す。
竿なんか持ってないじゃん、とモトラドが言った。
運転手は大きな鞄を開けた。上蓋の内側に、ライフルタイプのパースエイダーが、分解して縛りつけてあった。運転手はそれを取り出すと、
前後を差し込んでピンで留めた。バレル先端に、糸をつけて重りを挟んで糸をゆわく。ついでに鈴も。
モトラドが、師匠が見たら嘆くよ、と言った。
運転手は携帯食料をちぎって適当に餌をつけて、糸を落として座り、のんびりと蒼い空を眺めた。それから大きく、ゆっくりと伸びをした。
ねえ、そんなんで釣れるの? モトラドが聞いた。
さあね。運転手は答えた。
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| _,/_r| ̄T`ー;、二v'
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| r'"__,) \.,.,.
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- 580 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:53 ID:S3tAyWVY
- 19/21
蒼い海の中に、どこまでも真っ直ぐな、一本の白い線があった。
それは、海を渡る壮大な橋だった。そして一台のモトラドが止まっている。脇では一人の人間が、ライフルで釣りをしている。
lllllll! ,illlll!" ゙゚゙゙゙┷e,,,,,_
.llllll: .,`,llllll!゙ ,,,l `゙゙゙┷w,,,,,_
.llllll.,ill,illlll!° ,lllll .,ii,、 `゚゙゙゙┷e,,,,,、
il!゙,,illlllllll!′ illll! ,illll゙ ,,i、゙゚゙′
`,illllllllll!゜ ,,、 lllll,,,,_ .,illl!° ,illlll
,illlllllllll!′ ,illllll lllllllllllllllllll゙ llllll| .,lll
lllll゙llllll° .,llllll゙ llllllllllllllll!゙ illllll ,lllll
l!’llllll「 .lllllll゜ .lllll .,lllll!° ,,,,, .,llllll .゙゙゙゙′
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llllll| ┃_ ┌┐lllllilll!゙ ,lllllll゜ .,llllllllllllllll|
llllll` ∈§( 日∃∋lllllll゙′ .lllll!゙ .,llllllllllllllllll
lllll! .┃ ̄ └┘lllll!° ` .,llllll゙゚゙lllll!゙゙゙
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`゙゙゙┻w,,, |\● l!′ ,illllll’,lllll!゜
.゙.| ソ~ ,,,,、 ` ,llllll!゙.,,illll!゜
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- 581 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:54 ID:S3tAyWVY
- 20/21
橋の(・∀・)イイ!畳は、そこからしばらくの間だけ、他と違っていた。
微妙に色を違えて作られた模様は、上から見ると、巨大な文字として読むことができた。
そこには、文の続きが書いてあった。
we,,,,,,,,,,,__
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..ll!"___.,, .,ill、 、: "”゙゙゚゙'゙゙'サ━*wwa,,,,,,,,,,,__
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" .llll 'l!゙illllll″ ,,,、 :llliiiiiiilll′ llll|'!!!!!广 '!lll゙, .lllliil,llll
.llll .,illlllll" lllll: lll!!!llll゜ .,,,,, :llll,,,,,,,,,、 ,i,,゙.,ll.lllllllllllll
,lll′,illllillll .lllll .lll|,ill゙ ,llll「 .lllllllllllll! ,llll.illllllllllllllll|
,iiillliii,,illl!゙.llll: `’ .lllllll″ .l!!! .llll゙゙llll゙゙′.゙!,ill!lllllllll'lll゚|
lllllllllllllll’ lllll llll!゜ lllll ,lll″ ,illll゜゙'llll゙.lll |
゙゙゙゙゙゙゙ll!′ 'llll. ÷=≡= lll″ ,illl゙.,llll .,illll゙ ,illll゙,iii,,i
'**wwe,,,,,,,,,ll゙_: |ヽ* ケ illll゙illl!゜ lll!’ ,illl!’illlllll
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- 582 名前: 558 投稿日: 03/01/11 03:55 ID:S3tAyWVY
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ジサクジエン(・∀・)デシタ!!
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橋の話 〜終〜